内科(循環器) 血管外科 消化器・腹部外科 外科 下肢静脈瘤日帰り手術 レーザー治療 医療法人社団 仁和会 辻クリニック
下肢静脈瘤は病気なの?、どうもないから放っておこう、周りにもたくさん静脈瘤になっている人がいるから大丈夫、などあまり気にしていない方も多いようです。また、治るものなの?、どのような治療法があるのだろう?、そして治したいけどどこに行けばいいのだろう?と疑問を持っている人も多いのも事実です。 下肢静脈瘤は深部静脈血栓症の危険因子であるともされ、まれではありますが肺動脈血栓塞栓症(いわゆるエコノミー症候群)のような生命を脅かす合併症を引き起こす可能性があります。 下肢静脈瘤は治すことのできる病気であり、また治しておくべき病気でもあります。
下肢静脈瘤とは 下肢静脈瘤は人口の8%の人が持っているという統計もあり、一般的によく見られる疾患です。 下肢の血液は筋肉のポンプ作用と静脈の弁が強調して働き心臓へと送り返されていきます。この「静脈弁」が、長年の立ち仕事や妊娠・出産により破壊された結果、静脈に逆流が起こり拡張、蛇行したものが「下肢静脈瘤」です 下肢静脈瘤の症状 脚がだるい、重い、疲れやすい、ふくらはぎがつる(こむら返り)、むくみがあるなど様々な症状が出ます。このような症状は、朝のうちは軽くても夕方から夜にはだんだんとひどくなってきます。 初期には症状は軽いのですがきわめてゆっくりと進行し、放置すると皮膚炎、湿疹、痒み、色素沈着、そして皮膚潰瘍へとひどい合併症が起こってきます。 下肢静脈瘤の検査 ほとんどの場合、超音波検査だけで診断できます。10分程度の検査で、逆流の程度、範囲などの診断を行い、治療方針まで決定できます。 下肢静脈瘤の種類 一般的には4種類に分類します。 伏在静脈瘤(←クリックすると写真のページが開きます) 大・小伏在静脈の本幹が静脈瘤になってくる最も大きいものです。 側枝静脈瘤 伏在静脈に流入する前の細い枝に逆流した血液が入り込み静脈瘤になるものです。多くは膝下に発生します。 網目状静脈瘤 皮膚直下の細い静脈が青く浮き出てくるものです。膝の裏によく見られます。 クモの巣状静脈瘤 さらに細い静脈が目立ってくるものです。脚のどこにでも発生し、ほとんどの場合紫色をしています。 下肢静脈瘤の治療 放置しておいても自然に治ることはなく、ゆっくりと進行していきますので、症状が出てくるようだと治療を受けることをお勧めします。 皮膚症状が出た場合は、原因(下肢静脈瘤)があっての結果(皮膚炎、皮膚潰瘍)ですので、いくら皮膚科的に塗り薬などの治療を行っても完全には治りません。 治療の原則は、下肢の血液のうっ滞を取り除くことです。どのような治療を行うかについては、超音波検査による正確な診断と、豊富な経験による的確な判断が必要です。 選択的ストリッピング手術 (日本語にすると「抜去切除術」:静脈を引き抜く手術) 以前は、伏在静脈を全長にわたって抜去していましたが、特に下腿部では静脈と神経がくっついているために神経もいっしょに引き抜き、感覚異常などの異常などの症状が残ることがありました。 最近では、超音波検査で逆流のある範囲をきちんと確認し、その部分だけ(つまり「選択的」に)抜去しています。引き抜く時に使用する器械(ストリッパーといいます)も特殊な構造を持ったものを用い、できる限り神経症状が出ないようにしています(内翻式ストリッピング手術)。 ←クリックすると大きくなります 逆流のある血管を取り除くという理にかなった治療ですので、再発の可能性は低いです。手術は下腿部にあるボコボコした血管を取り除くのが目的ではありません。残った静脈瘤は徐々に退縮していきますが、気になる方には後日硬化療法を行います。 当クリニックでは、プロポフォール(ディプリバン)を使った全身麻酔とTLA液という局所麻酔を併用し、苦痛のない手術を行っています。手術後はすぐに歩けます。回復室でしばらく休んでいただきますが、もちろんその日の内に帰宅できます。そして、無理は禁物ですが翌日から仕事など日常生活に復帰可能です。 レーザー治療 別ページで詳しく説明しています。 平成22年10月、当院では日本で初めて厚生労働省より承認された下肢静脈瘤血管内レーザー装置ELVeSレーザー®を導入しました。 ELVeSレーザー® 高位結紮術 局所麻酔下に伏在静脈の根元を縛り切り離します。これで逆流を止めるわけですが、再発が多いという報告があります。軽症静脈瘤(伏在静脈があまり太くない)に対して行いますが、根本的な治療とはいいがたいものがあります。 ストリッピング手術やレーザー治療が日帰り治療として行えるようになったことから、この高位結紮術という手術を行うことは非常に少なくなりました。 硬化療法(←クリックすると硬化療法の様子が見られます) 平成6年から保険適用になっています。また、最近ポリドカスクレロールという薬剤が発売され安全に使用できるようになりました。 治療は、この硬化剤を静脈瘤内に注射し、血管に炎症、内膜の癒着を起こさせ固めてしまうというものです。 もちろん入院の必要はなく、外来で簡便に行えます。注射後は圧迫包帯を巻き、その上から弾性ストッキングを履いていただきます。 この治療は、太い静脈瘤には適しません。完全に閉塞させることは困難で、再発が高率に認められます。 網目状静脈瘤、クモの巣状静脈瘤などの軽症静脈瘤やストリッピング手術後の残存静脈瘤に対して行います。 圧迫療法 弾性ストッキングを履くことにより下肢の静脈を圧迫し、主には下腿部の静脈のうっ滞を防ぐものです。 履いている間は、むくみの解消、脚のだるさなどの軽快が得られますが、もちろん脱ぐと元通りになります。根本的治療にはなりません。 当クリニックには弾性ストッキング・コンダクターの資格を持った看護師がおります。重症度に応じたストッキングの選択、履き方指導などを行っております。 日帰り手術についての説明 外来初診 受付後に問診票を記入していただきます。その後、看護師がお話を十分にお伺いします。 そして、まず全員の方に「下肢超音波検査」を受けていただきます。また、ご希望があれば「動脈硬化検査(血管年齢)」の検査も受けていただけます。 診察 最初に、お話を伺いながら下肢の診察を行います。 そして、下肢超音波検査の結果と合わせて治療方針の決定(手術適応)を判断します。 手術適応であれば、「手術を受けるかどうか」、「手術日の希望」、「手術方法の選択」などについてご説明し、同意をいただきます。 もしご家族の方に説明が必要な時、あるいはご家族と相談して決めたい方には後日再受診していただく必要があります。 術前検査 手術に同意いただき、手術日が決まった場合にはその日に術前検査を受けていただきます。 血液検査、レントゲン検査、心電図検査があります。 手術についての説明 検査後に、看護師が手術前日の準備、手術日の流れ、術後の受診についての説明をもう一度わかりやすく行います。 そして、術後に必要な弾性ストッキングの採寸などを行います。 # 他院で内服薬治療中の場合、手術に際して一時的に休薬しなければならない薬があります。できれば、お持ちの「薬品状況提供書」をお持ち下さい。 # 手術日は、できるだけご希望に添えるようにしますが、混雑状況によりできない場合もあります。2~3日の候補日を決めてきて下さい。 手術当日 手術を決めた時に、手術説明文書をお渡ししています。十分にお読み下さい。 手術当日は、朝早めにお食事をお摂り下さい。 手術は原則として13時頃から開始します。指定時間までにクリニックにお越し下さい。 病室の説明、更衣などを行った後、点滴を行います。そして、徒歩にて手術室に入ります。 手術は30分前後で終了します。 手術終了後は、しっかりと覚醒するまで病室で休んでいただきます。 水分の摂取は可能です。 時々、血圧などを測定し、トイレを済ませることができれば退院できます。 帰宅後は普通に食事をすることができます。 術後のお薬としては、化膿止めの抗生物質と痛み止めの座薬があります。 手術当日の19時頃には、看護婦長から電話訪問があります。手術した下肢の状況(痛みなど)や全身状況などをお伝え下さい。 # 手術当日は、車の運転は絶対にできません。 # 術前から服用していたお薬は、夕食以降いつも通りに内服下さい。 # 遠方からの方は、近隣の提携ホテルをご紹介いたします。外来受診時にスタッフにお伝え下さい。 手術翌日 できる限り外来受診していただくことにしております。 下肢の診察を行い、今後予測される経過についてお話しします。また、弾性ストッキングコンダクターから術後のストッキングの履き方指導を受けていただけます。 無理は禁物ですが、手術翌日から職場復帰することも可能です。不安がある方は、ご相談下さい。 # 弾性ストッキングは、手術4週間後まで着用していただきます。ただし、就寝時にははずします。 # シャワー浴は手術当日から可能です(シャワーブーツの使用が必要)。創部の消毒の必要は全く必要なく、翌日からは普通にお風呂に入れます。 外来受診 手術翌日、手術後1週間目、1・2・3・6ヶ月目に受診していただきます。その際、必要(経過)に応じて、下肢超音波検査を受けていただくことがあります。