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起立性低血圧


年々気温が上がっている日本の夏。気温の上昇に比例して、熱中症や脱水症状で搬送される患者様も全国的に急増しています。少しの油断が命取りになる脱水症や熱中症は、素早く見つけてすぐに対策することが非常に重要です。

起立性低血圧とは

起立性低血圧とは、横たわっている状態から立ち上がった際に血圧が急激に低下する病態で、めまいやふらつき、気が遠くなるなどの症状を引き起こします。原因には自律神経の乱れ、脱水、薬剤の副作用などがあり、症状は横になると速やかに消失するのが特徴です。

起立性低血圧の診断基準

一般的に、立位で収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下した状態で、起立性低血圧と診断されます。

どんな症状があるの?

起立性低血圧の代表的な症状は以下のとおりです。基本的は起立後数秒から数分以内に症状が出現し横になると消失しますが、人によっては転倒したり痙攣(けいれん)を起こしたりする場合もあるので注意が必要です。

起立性低血圧の原因

原因がさまざまですが、多くの原因とされるのは以下の4つになります。

♦︎ 自律神経の異常

自律神経が乱れると、起立時に血圧を一定に保つ自律神経の機能が低下し、下半身に血液がたまって脳への血流が不足するため、起立性低血圧を起こす可能性が高まります。

♦︎ 脱水

体内の水分不足により、血液量が減少するためふらつきや立ちくらみが起こります。脱水による起立性低血圧の場合は、熱中症の予兆の場合もありますので十分に注意してください。

♦︎ 薬剤の副作用

血圧を下げる薬などの影響で血圧が低下することがあります。

♦︎ 他の疾患

糖尿病やパーキンソン病などの神経系の疾患が関係することもあります。

日常生活上での対処法・予防方法

【ポイント1】水分を適度に摂取する

起立性低血圧の症状を防ぐためには、適度な水分摂取を心掛けましょう。水分摂取により体内を巡る血液量が増加し、立ち上がっても循環が維持され、目まいやふらつきなどの症状が出現しにくくなります。

なお、水分を摂取する際には水だけを飲むのではなく、糖分や塩分も適度に摂りましょう。糖分と塩分を同時に摂取することで、効率的に水分が吸収されます。電解水はご自宅でも簡単に作れます。詳しい作り方はこちらをご覧ください。

また、暑い場所にいると体温調節のため発汗が促進され、水分量の減少により脱水になることがあります。脱水になると血液量も減少し、血圧が低下します。

多量に汗をかきそうな暑い場所は、なるべく避けて行動しましょう。

【ポイント2】ふらついたらすぐにしゃがむ

起立性低血圧により目まいやふらつきを感じたら、すぐにしゃがみましょう。立ち上がったときに脳への血流が低下すると、目まいやふらつきにより転倒してしまう可能性があります。

打ちどころが悪ければ、大けがを負うかもしれません。目まいふらつきを感じたら、すぐにしゃがんで転倒を防ぐことが大切です。

【ポイント3】立ち上がるときはゆっくり動く

起立性低血圧の症状を軽減させるために、立ち上がるときはゆっくり動きましょう。起立性低血圧は、急激な体位の変化による血圧低下によって引き起こされます。

寝ている状態や座っている状態からいきなり起き上がると、急な循環の変化に対応できず脳への血流が保てなくなることがあります。そのため、立ち上がるときはゆっくりと動くことがポイントです。

【ポイント4】立ち上がる前に体を動かす

起立性低血圧の症状を和らげるために、立ち上がる前に体を動かすことも大切です。

寝たり座ったりしている状態が続くと血流が滞るため、その状態からいきなり立ち上がると脳への循環が維持されず、ふらついてしまうかもしれません。

立ち上がる前には体を動かし、血液の循環を促進させてからゆっくり立ち上がるようにしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は誰でも一度は経験したことのある起立性低血圧について解説しました。夏に起こる同症状には脱水症や熱中症などを引き起こす可能性がありますので、十分に注意してください。少しでも似た症状を自覚したら、すぐに休息を取る、あるいは当クリニックへご相談ください。

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