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むくみ(浮腫)・こむら返り

朝起きたら顔がむくんでいる、歩いた後は足がむくみがち など、日頃の生活の中では特に珍しくない誰でも経験のあるむくみ(浮腫)。ただ、むくみの中でも普通のむくみではなく、隠れた病気が原因となっている場合もあるので、よく観察することが重要です。

むくみが生じるメカニズム

体内の水分は、細胞や血管の中を循環し、栄養を運び、老廃物を排出する役割を果たしています。しかし、何らかの原因で水分バランスが崩れると、細胞間に水分がたまってしまい、むくみが生じます。

原因と病気

【日常的な原因】

心不全、心負荷

心臓の働きが弱ると血管内に余分な水分が溜まってきます。その水分が血管の外にしみだしてむくみの原因となります。息切れなどの症状を伴うこともあります。

胸部レントゲンや心臓の超音波検査などで診断します。血液検査のBNPという検査も指標となり、利尿剤が有効なことが多いです。

腎不全

腎臓の働きが低下して余分な水分や塩分を排泄できなくなることにより、心不全と同様に余分な水分が溜まってきます。また大量に尿タンパクが出ると血液中のタンパクが減ってしまい、これもむくみの原因となります。

低栄養

何らかの原因で食事が十分にとれない場合、または腸や腎臓からタンパクがもれてしまう病気では血中のアルブミン値が低下します。膠質浸透圧が下がり血管の外に水分が漏れやすくなります。

薬剤性

薬の中にはその副作用でむくみが生じるものがあります。代表的なものは副腎皮質ステロイド、非ステロイド抗炎症剤、カルシウム拮抗剤(高血圧の薬)、ピオグリタゾン(高糖尿病薬)などです。薬を変更することによって症状が改善する場合があります。

その他

腹水が溜まるような肝不全や甲状腺機能低下、副腎皮質ホルモンの異常症などの内分泌疾患、関節リウマチなどのアレルギー疾患などでも浮腫がみられる場合があります。

【病気が原因】

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤について、詳しくはこちらをご覧ください。

深部静脈血栓症

足の静脈が血栓でつまってしまう病気で、片方の足全体が急に赤く腫れます。病気やけがで寝ている時や長時間乗り物に乗っている時などに起きやすいといわれています。血栓が足の静脈から飛んで肺の血管につまる肺塞栓症(一般にはエコノミー症候群とよばれています)の原因となる可能性があり、その場合命にかかわることもあります。

リンパ浮腫

リンパの流れが悪く足が腫れる病気です。生まれつきリンパ管の発達が悪い1次性リンパ浮腫と手術や放射線治療によりおこる2次性リンパ浮腫があります。片方の足の場合が多いですが、両足のこともあります。次第に皮膚が固くなり象皮病といわれる状態になります。ストッキング着用やマッサージが治療の中心ですが手術が必要な場合もあります。

蜂窩織炎

細菌が足に入ることにより炎症を起こし腫れた状態です。けがや巻き爪、水虫などから菌が入る場合もあります。赤く腫れ熱を持ち痛みを伴います。

皮膚病変

湿疹や皮膚炎、虫刺され、しもやけなどの皮膚の疾患に伴い足が腫れる場合もあります。

【むくみを起こす代表的な病気】

全身性のむくみを起こす代表的な病気に、心臓、腎臓の病気があります。むくみだけでなく、呼吸が苦しい、息切れ、動悸、胸痛、尿の出が悪い、疲れやすいといった症状があるときは、ご相談ください。

【その他の原因】

貧血や月経周期、妊娠、薬の副作用などもむくみの原因となることがあります。また、栄養不足、急激な体重減少(退院直後)によっても引き起こされるケースもあります。

むくみの代表的な症状


むくみやすい部位

むくみは主に、手足・顔などに現れることが多い症状です。重力の影響で、水分は下の方へ溜まりやすいため特に足はむくみやすい傾向にあります。

日頃の生活の中で特に珍しくない足のむくみですが、飛行機に長時間乗った後などに急に片方の足がむくんだ場合は、要注意です。

深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群の可能性があります。同じ姿勢でじっとしていて、水分が不足していると、血液の流れが悪くなり、静脈の中に血のかたまり(血栓)ができてしまい、血管がふさがれてしまうのです。

血栓がつまったほうの足だけがむくむことになります。こんなときは、すぐに医療機関を受診してください。

また、当院では下肢静脈瘤といった足の静脈がボコボコしているために起こるむくみに対して治療も行っています。

急に体重が増えた、気づいたらひどくなっているなどは危険な病気が潜んでいる可能性があるので、無理にセルフケアはせずにまずは医療機関を受診してください。

むくみ(浮腫)の対処・治療について

足のむくみの予防・解消には、ふくらはぎの筋肉を収縮させる運動が有効です。仕事柄立ちっぱなしの人は、かかと上げ運動で筋肉を刺激。デスクワークが長い人は「貧乏ゆすり」も効果的です。一見お行儀が悪いと感じる動作ですが、実はふくらはぎの筋肉が伸び縮みする反応であり、むくみや冷えを改善します。

乾燥や感染予防のためにも、保湿は欠かさないこと。段階的な圧迫で血流をサポートする着圧ソックスや弾性ストッキングは、自分に合うサイズを選びましょう。むくみの悪化には内臓疾患が隠れている場合もあるので、自己判断せず受診することが大切です。

対策

【水分補給】

適度な水分を補給し、体内の水分バランスを整える。

【塩分やアルコールの摂取を控える】

塩分やアルコールの過剰摂取はむくみの原因となるため、摂取量を減らす。

【運動】

運動によって血行を促進し、むくみを解消する。

【マッサージ】

むくんでいる部分をマッサージすることで、血行を良くし、むくみを解消する。

【足を上げる】

足を心臓より高い位置にすることで、むくみを解消する。

【弾性ストッキングの着用】

サイズの合った弾性ストッキングを着用することで血液やリンパの流れを促進し、むくみを解消します。着用によるかぶれなどを防ぐため、着用前に保湿をすることが大切です。

まとめ

むくみは、一時的なものもあれば、病気が原因となるものもあります。気になるむくみは、医療機関を受診し、原因を調べて適切な対処を行うことが大切です。

当院では、むくみに起因する背景がないかなどの問診をし、採血や超音波検査等を行い原因の特定を行ったり、むくみ予防についての指導を行っています。足のことで少しでも悩んでいる方はいつでもご相談ください。

また、弾性ストッキング、保湿剤(自費)の取り扱いもあり、ご希望の方に販売しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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